「あらしのよるに」という童話を知っている人は多いかも知れません。
最近映画にもなったし、仲の良い友達のキャラクターが、「オオカミ」と「ヤギ」というユニークなもの。
「ごちそうなのにともだちで、なかよしなのにおいしそう!?」なんて、何ともややこしい関係がおもしろい。
実はこの童話はシリーズになっていて、ひとつ前の第6巻「ふぶきのあした」で、完結を見ていましたが、その結末が哀愁を帯びていました。
ダークブルーの余韻がずっと続くそのラストシーンを、私はとても気に入っていましたが、読者やファンからの意見が作者を動かし、「このままでは終われなかった」ということで、この「まんげつのよるに」につながったそうです。
シリーズを通して、木村裕一さんのストーリーのおもしろさに加え、あべ弘士さんの色彩豊かな絵が、もう最高です! 主人公たちの微妙な心の動きを、ダイナミックで動きのある自然描写に置き換えて見せる手法は本当に素晴らしい。
本物の童話は、大人が読んでもいろいろと感じるところがあるのは、承知の事実ですよね。
機会があれば、この「あらしのよるに」シリーズ、ぜひ一度手に取ってみられたらいかがでしょう。