7月7日、ロンドンで同時爆破テロがありました。死者数は50人を超え、負傷者も約700人と発表されています。アルカイダの犯行かどうかはまだ明白になっていないし、当時G8に参加していた各国首脳は、それぞれの事情と思惑の下に帰国の途につきました。
このブログは、混迷する国際関係や、私の政治に対する主張を積極的に語る場ではありませんが、この同時多発テロのテレビ報道を見て感じるところがあったので、ひとこと書いておこうと思います。
事件の翌日だったか、テレビ朝日「報道STATION」でのワンシーン。ロンドンの現場にて、通勤途中と思われる女性へのインタビューです。市民の足である地下鉄やバスが爆破されましたが‥‥との問いかけに、その中年の女性は以下の意味の言葉で応えました。
『テロに負けたことになるので、例え自転車で通勤してでも、日常生活を普通に営みます』
テロという卑劣な手段を繰り返すイスラム過激派を非難することは簡単です。また明らかに彼ら過激派をあおっているのではないか、と疑いたくなるような米国のこれまでのやり方に対し憤慨することもできます。でもひとりの人間として、この女性の勇気と潔さに拍手を送りたいと思います。責任を他に転嫁せず、自由の尊さと権利、そして責任を覚悟したこの発言には、本当に感動しました。
翻って現在の日本ではどうでしょう。ただ感情の赴くままや、誰かの意見を鵜呑みにしてコピーするだけではなく、きちんと自分個人の意見としての“自由”を明確に述べれる人が果たしてどれ程いるのでしょうか。
今回のテロも勿論、対岸の火事ではありません。人としての生き方や姿勢は、全ての人が日々問われ続けています。