テトラビット社長 尾風邦夫のエッセイ「Every Day Is A New Day!!」

テトラビット社長 尾風邦夫のエッセイ「Every Day Is A New Day!!」

サッカーで、ハッピー!

 サッカー日本代表が、来年2006年のワールドカップ(W杯)ドイツ大会出場権を獲得しました。おめでとう! アニメでいえば『キャプテン翼』より前、『赤き血のイレブン』からのサッカーファンである私にとって大変嬉しいニュースです。

 しかしヒデ(中田英寿)が「正直、今のこのチームでは本大会を勝ち抜ける力はまだない」と語ったように、日本代表が本大会で快進撃を続けられるとは、素人目にも思えません。

 その一番大きな理由は『攻める意志』が明確に伝わってこないことです。選手たちが一生懸命やっているのはわかりますが、絶対勝つ!という気迫が不足しています。実戦中でのトラップ技術が未熟で、パスの精度は甘く、シュートが枠に飛ばない、ということはまだ許せます。しかし攻め上がってゆくときに、まっすぐペナルティエリア(あるいはゴールそのもの)に向かって行かない、中盤でのボールの奪い合いで強いプレッシャーを掛けられると、焦ってボールを失う、などは、応援しているものにとって歯がゆすぎます。

 チャンピオンズリーグなどの戦いを観ると、まさに気迫と気迫の戦い。これに最後に敗れたものが勝負も落としているのがよくわかります。この気迫を睡らさないためには、高度な技術を習得し、強靱な体を更に鍛えるとともに、プライド(自尊心)にも磨きを掛けなくてはなりません。そして「負けてたまるか。やったるぜ!」という闘争心の相手は、最後には間違いなく、『これまでの自分自身』ということになるでしょう。

 ここまで熱く書いてきて気づきました。今ひとつ攻める意志が伝わってこないときの選手への苛立ちは、自分の目標に対してやはり強く攻め切れていない『自分自身の不甲斐なさ』への苛立ちなんですね。そうか、そうか。これはわたしも絶対に頑張らないと!

 サッカーに戻って、これからもワールドカップ本戦までに、まずはコンフェデレーションズカップがあるし、同じく出場が決定したイランとのホーム戦も残っています。そして、日本、中国、韓国、北朝鮮で争う東アジア選手権決勝も控えている。まさにファンにとっては楽しみな夏になりそうです。怒りや愚痴も交えつつ、思いっきり応援するぞ。ガンバレ、日本!


The Information Organizer (情報調整者)

 ハミングバードの富永浩義さんがオフィスに訪ねてきてくれました。彼とは一緒に仕事をした件数は多くないのですが、時折会うと、ECサイトのツボから、日本のIT行政の行く末まで、遠慮無く論じあえる貴重な友人です。

 彼の肩書きは、『ECコンサルティング&WEBシステム開発』を行う『WEBコンサルタント』。新聞やTV等でも取り上げられ、かなり一般にも浸透してきた、EC – Electronic Commerce(eコマース)、すなわち電子商取引の専門家です。

 ECが出たついでに、巷で氾濫しているIT用語の話をしましょう。ITの業務を語るときに、量の多少はありますが、業界では技術用語や専門用語、あるいは略語などを多用し、これにマーケティングや営業関係、そしてただトレンド(ほら!)というだけでちりばめるカタカナ英語が加わって、全く訳の分からない日本語に陥っている例をよく見かけます。顧客となるお客様がその本質を理解できなければ、どんなに格好を付けても、 意味がない上、私は機械に弱いので、とか、コンピューターの話は良くわからないからいい、という人を増やしてしまうだけですね。

 但しどうしてもその言葉を使わなくては不便である、という言葉も当然あります。例えば「サーバ」や「データベース」などです。これらは言い換えるのが難しく、「テレビ」や「ファックス」のようにいずれは浸透していくのでしょう。

 話をTommy~富永さん~に戻して、彼は3年前に独立してハミングバードを立ち上げたときに自らを『The Information Organizer』と紹介していました。これは彼の造語で、直訳すると“情報調整者”とでもなるのでしょう。コンサルタントやインテグレーター、プロデューサー、メンター、コーチなどなど、ITの世界には情報の面倒を見る肩書きが沢山ありますが、この“調整する”という響きが、様々な示唆に富んでいて、【情報】という捉えどころのないものを扱う上で、柔らかくフィットすることに感動したものです。

 ところが今回頂いた名刺には、調整者の文字はなく、先に挙げた『WEBコンサルタント』となっていました。理由を尋ねると、多くの方に「意味が分からん」といわれたそうです。ムムム‥‥。情報というもの自体が曖昧なので、細かく規定しないとどうしても漠然としたイメージを持たれてしまうのですね。テトラビットは、“ITでハッピー!”をモットーにしていますが、これも意味不明と受け取られてしまうのかな。

 肩書きはともかく、Tommyとは楽しいビジネスランチをとりながら、新たな企画を何本か話し合いました。これからも宜しくお願い致しま~す!!


若き日の旅なくして、老いての物語なし

 旅が大好きです。

 見知らぬ街を訪ね、初めての人に会い、見たことのない風景の中に身を置くときに、自分の心と体を渡って行く風に吹かれる気分、これには言葉にできないほどの感動があります。

 ただ不思議なのは、遠いところに行けばいいのか、というと、実はそうでもないのです。若い頃は、とにかく遠くへと出かけたこともありましたが、いろいろなところを訪れ、様々なところで暮らしたりするうちに、徐々に気持ちが変化してきました。

 どこでもいいのです。心と体に風が吹くことが重要なのです。

 都会の雑踏を歩いているときに、水の存在を忘れさせるほどの透明度の高い海に潜っているときに、迷路のように入り組んだ路地の石畳の上で、20年来の友人と再会して一杯飲っているときに、気持ちよさそうに熟睡している子どもの顔を眺めたときに、驟雨に駆け込んだ軒先で雨の匂いを嗅いだときに、その他場所と時を選ばずに、不意にこの風が吹くことがあります。

 であるならば、私にとっての旅とは何なのか。

 それは自分自身がああ生きているんだなあと感じる、“心の状態”そのものでしょうか。

 などと書いていると、また旅の虫が騒ぎ出します。

 さあ頑張って仕事して、休みを取って出かけよう!





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